ヒメスズメバチ

樹液に来たヒメスズメバチ
和名ヒメスズメバチ
学名Vespa ducalis Smith, 1852 原名亜種
Vespa ducalis pulchra Buysson, 1905 日本本土亜種
英名Black-tailed hornet
分類ハチ目 スズメバチ科 スズメバチ属
分布本州、四国、九州、対馬、石垣島、西表島

生活史

11~3月 越冬
5月中旬~7月 単独営巣期
7月~8月 共同営巣期
8月~9月 雄・新女王の羽化期

活動開始時期が遅く、また営巣期間も最も短い種です。餌としてアシナガバチを専ら好んで狩るため、活動期をアシナガバチの営巣に合わせているとも言われています。

形態

体長 女王蜂 25~37mm 働き蜂 25~33mm

オオスズメバチに次いで大きいスズメバチで、その大きさや威嚇音で恐怖感を与えますが、攻撃性は低く比較的おとなしい種です。腹部の先(尻の部分)が黒いため、見分けるのは比較的に容易です(オオスズメバチの尾は黄色)。しかし対馬でみられる亜種では尾が黄色のようです。個体変異も多い種になります。
女王蜂と働き蜂の大きさがしばしば同じなため、区別が難しいことも特徴です。

攻撃性

巣に過度に近づいたり刺激を与えると、大あごを鳴らしてまとわりつくような警戒行動を取りますが、巣やその付近を攻撃するようなこと(蹴飛ばしたり、破壊するなど)がない限り、実際には蜂から攻撃することはあまり無い、比較的おとなしい種類の蜂です。警戒行動があっても落ち着いて、巣がありそうな場所から静かに立ち去りましょう。
樹液や花の周りを単独で行動している蜂も、こちらから接触しなければ刺してくることはありません。

習性

営巣

閉鎖的な環境に巣を作ります。樹洞や土の中、また人家の周りでもちょっとした物の中や空間に営巣するケースもあります。きのこの笠のような形状の巣をつくり、しばしば巣の中身がはみ出して見えるのが特徴です。
国内のスズメバチ属において、巣の規模も最も小さく、働き蜂の数も100以下と多くありません。そのため、接触せずに営巣を終えることが多い種になります。

食性

アシナガバチを専食し、その他にクヌギ等の樹液にも集まってきます。