コガタスズメバチ

コナラの樹液に来たコガタスズメバチ(静岡 春森氏撮影)
和名コガタスズメバチ
学名Vespa analis insularis Dalla Torre
英名Yellow-vented hornet
分類ハチ目 スズメバチ科 スズメバチ属
分布北海道・本州・四国・九州、対馬、種子島、屋久島、琉球列島

生活史

11~5月 越冬
5月中旬~6月上旬 単独営巣期
6月上旬~9月 共同営巣期
9月~11月 雄・新女王の羽化期

形態

体長 女王蜂 25~30mm 働き蜂 22~28mm

オオスズメバチより1~1.5cmほど小さいですが、外見は非常に良く似ています。オオスズメバチに比べると、背部分の紋(黄褐色)が見えにくく、一見黒っぽく見えます。また、頭部の大きさ、尾の模様に注目すると見分けることができます。頭部はコガタスズメバチの方がやや狭く、尾の縞々の数が少ないです。

攻撃性

攻撃性、威嚇性はスズメバチの中では弱いため、むやみに巣を刺激しなければ近づいてもおとなしいのですが、巣を刺激した場合は激しく攻撃してきます。キイロスズメバチと合わせて、都市部でも見る機会の多いスズメバチです。

習性

営巣

人家の軒下や庭木の枝などの開放的な箇所に巣を作ります。初期の巣は、フラスコを逆さにしたような巣の形が特徴的ですぐにコガタスズメバチの巣と判別できます。しかし、働き蜂が羽化するにつれて、巣の入口が削られてよく見られる球状になっていきます。都市など人に近い環境でも巣を作りますが、木の枝や葉などで覆われたような閉鎖空間に巣を作ることも多く、人が気づきにくいという特徴もあります。
巣の規模は比較的小さく、ピーク時の働き蜂の数でも200~300匹程度です。

初期のフラスコを逆にしたような巣(左)、発達した巣(右)
出典 国立研究開発法人森林研究・整備機構より
食性

ハエやアブ、ミツバチなどの飛翔している小型昆虫をよく捕らえて食べます。果実や樹液、花蜜など甘いものも好んでよく食べます。